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2017年7月7日金曜日

ノーベル経済学賞受賞者で、心理学の分野のダニエル・カーネルマンは、「できると思う!」という楽観主義者が自分の人生や、彼らを他よりとしている人達の人生を台無しにするのが珍しくないという奇妙な事態を紹介する文献を精査した。
その結果、個人あるいは組織が重大な危険を進んで冒すときには必ず、楽観バイアスが一定の割合を果たしている。
危険を冒す人はたいてい、自分が直面する危険の確率を過小評価し、その確率を突き止めるために十分な努力を注ごうとしない、と指摘している。
さらに、楽観主義は今を目一杯生きることを熱望する熱狂的な投資家や精力的で勤勉で勇敢な起業家を生み出すものの、彼らの自信は妄想も育て、危険を軽視して多大な犠牲を払う羽目になる道を彼らに進ませもいるという、強力な証拠を示している。
「自社と同様の企業」が成功する確率を聞かれたアメリカの起業家の3分の1は、自分なら失敗する可能性はゼロだと答えた。
実際にはスタートアップビジネスがアメリカで5年間生き延びる可能性は、35%にすぎない。
楽観的な起業家は、過剰な危険を冒して不合理な賭けをする可能性が高いが、他人ではなく自分の資金を使う時であるのが、せめたもの救いと言える。

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