人類の歴史を1人当たりの所得から見てみると、1800年当時のヨーロッパの平均的な生活水準は、紀元前1世紀のギリシャ・ローマの時代はもちろん、紀元前10万年の石器時代と比べても殆ど豊になっていない。
所得以外の指標でも1800年当時の平均的寿命は30~35歳で、狩猟採集時代に比べて長くなっている訳ではない。
栄養状態を示す平均身長は、石器時代の方が1800年当時よりも高かく、人類の生活は10万年の歴史を経ても向上するどころか、より過酷になっていたのである。
ところが18世紀半ばにヨーロッパの辺境であるイギリスではじまった産業革命によって状況は一変し、技術の進歩が生産性の向上をもたらし、所得を大きく伸ばした。
僅か200年で、1人当たりの所得は1800年当時の10~20倍に達したのである。
僅か200年で、1人当たりの所得は1800年当時の10~20倍に達したのである。