Amazon

2014年10月7日火曜日

フェアトレードは、市場経済は貧しい国や貧しい人達を搾取しているとして、「公正な取引(Fair trade)」を企業に求めるアンチ・グローバリズムの運動である。
フェアトレード先進国のイギリスでは、スターバックスやネスレが、いち早く倫理的認証を受け、「環境にやさしくない企業」の代名詞だったマクドナルドまでがレインフォレスト・アライアンスの認証マーク付きコーヒーを販売している。
フェアトレード財団の2010年時のWebサイトでは、「コーヒーの価格は2000年以来記録的な低迷に苦しんでいる。コーヒー豆の生産費より遥かに低く、世界中のコーヒー農家を危機に陥れている」と主張している。
しかし、実際にはニューヨーク市場におけるコーヒーの国際価格は2002年以来着実に上昇し、タンザニアで生産される「マイルド・アラビカ豆」は2002年の1.32ドル/キロから2011年に5.73ドル/キロまで高騰した。
それに対してフェアトレードが「公正」とする最低価格は2.81ドル/キロであり、市場価格の半分以下でしかない。
つまり、「倫理的認証を受ける企業は、フェアトレードの最低価格によって仕入れコストが上がる心配をする必要がなかった」という事なのである。
2005年以降、名だたる大企業が次々と倫理的認証を受けるようになった理由の本質なのである。
企業からすると僅かな追加コストで「人にも自然にもやさしい企業」というブランドイメージを得られる。
レインフォレスト・アライアンスの認証を受けたことで、マクドナルドのコーヒーの売上は25%増えたのである。

『フェアトレードのおかしな真実――僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』

0 件のコメント:

コメントを投稿