Amazon

2013年11月19日火曜日

日本では選挙の立候補に際して、選挙管理委員会に一定の金額を預け、規定をクリアすれば選挙後に返納されるという「供託金制度」がある。

東京都知事選挙は300万円、政令指定都市の市長選挙は240万円、その他の市長選挙は100万円の供託金が求められる。

2012年の東京都知事選挙の場合、得票率が10%に達しなかった3位以下の立候補者が拠出した供託金は没収された。

アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア等は供託金はゼロで、フランスは1995年まで2万円程度の供託金が必要だったが、ゼロになった。
イギリスその他の先進国で、供託金がある国でも殆どが10万円以下となっている。

この高額な供託金制度が導入されたのは、25歳以上の男子全員に選挙権を認めた1925年の普通選挙法の施行から。
導入された理由は「売名目的などの立候補うを抑制する目的」と説明されているが、当時「無産政党」と呼ばれた社会主義政党が国政に進出するのを防ぐ意図があった。
自民党が打ち出している生活保護基準引き下げにより、子育て世帯の生活保護基準が10%引下げられるが、それに関連して危惧されるのが、「就学援助」である。

就学援助は、公立の小学校、中学校の子供を支援するもので、給食費や学用品代、修学旅行費、クラブ活動費などを、生活保護を受ける「要保護」世帯と、生活保護世帯に近い状態にあると市区町村が認定した「準要保護」世帯に提供される。

現在、全国で157万人の就学援助を受けているが、生活保護基準引き下げによる制度の見直しで就学援助の支給が受けれなくなる世帯が出てくる可能性がある。
日本では、現在、全人口の1.7%にあたる215万人が生活保護を利用している。

ドイツは全人口の9.7%にあたる793万人、イギリスは9.27%にあたる574万人が生活保護を利用している。

生活保護基準以下の収入の人は生活保護を申請できるが、利用資格がある人でも実際に生活保護を受けているのは、日本では2割り程度となっている。

利用資格がある人が実際に生活保護制度を利用している割合を「捕捉率」というが、日本はこの捕捉率が非常に低くなっている。
一昔前の金融詐欺事件では、「だます側」と「だまされる側」が明確に区別てぎていたが、KKC事件(被害者1万人)、オレンジ共済、全国八葉物流事件(被害者4万人)などの場合は、マルチ型、ネズミ講型の悪質商法に代わっており、被害者が他人を勧誘することで加害者に転化してしまうステムとなっている。

KKC(経済革命倶楽部)は「100万円出資すると340万円になって帰ってくる」と会員から出資金を募る商法で、その組織は、本部→区部→支部→会員の順で、全国に25の区部と390の支部が組織されていた。

1万2000人の会員は、必ずどこかの区部か支部に所属せねばならず、区部長や支部長は会員数、出資金を増やせば増やすほど、配当金が増えるという仕組みだったので、会員の勧誘が組織的に進められ、極めて短期間に会員が急増した。

KKC事件では1万人を超える被害者が出たが、KKCの社員はわずか十数人しか存在せず、マルチ型ピラミッド組織の中で被害者は同時に加害者となっており、被害者救済が難しくなってしまった。

結果、ピラミッドの末端にいた純粋被害者の弁護依頼だけを引受け、弁護団組織をつくり、KKCや全国八葉物流を破産に持ち込んだ