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2015年10月31日土曜日

長期金利は将来のおカネの割引率である。
金利がある世界では、将来の100円と現在の100円は価値が違っていて、金利が高ければ高いほど将来の100円に釣り合う現在のおカネは100円よりも小さくなる。
言い換えれば、金利を低くすればするほど、現在のおカネの価値は大きくなるのである。
そして、株の価値は将来にわたる会社の価値を「現在の価値」で表したものだから、金利を下げれば株価は上昇する。
つまり、長期金利を人為的に下げれば、株価は上昇するのは当然なのである。
しかし結局は、将来生み出されるおカネは変わらないのに、現在の価値を人為的に大きく見せているだけなのである。
経済史の研究を基礎に経済人類学の理論を構築した経済学者のカール・ポランニーによると、紀元前800年から紀元前1000年以前には市場は存在せず、コインのような貨幣も存在しなかったという。
コインのような金属貨幣片が登場したのは、紀元前800年になってからギリシャ系リディア王国においてであり、アテネポリス内の地域食料市場が表れるのは紀元前5世紀末、東地中海に初めて国際穀物市場が形成されたのは紀元前4世紀末である。
にもかかわらず、貨幣が登場する前から大規模な交易が行われており、文明が生まれてから数千年の間、人類は交換手段としての貨幣も市場も無しに、単純な物々交換ではない交換を行っていた事を意味する。
音楽の世界がデジタルに駆逐されている一方で、アナログ・レコードが復活してきている。
一時は全滅も間近と言われていたアメリカでのアナログレコードの販売量は、2005年から2013年までの8年間で6倍以上増えている。
2005年と2006年には100万枚に満たなかったLPレコードアルバムの販売が、2012年には460万枚、2013年には610万枚に急増している。
2013年の世界全体でのアナログレコードの売上は、2億1800万ドルに達している。
アンガス・マディソンの著書『経済統計で見る世界経済2000年史』によると、人口は紀元0年は2.3億人、1000年に2.7億人、1700年に6.0億人、1998年に59.1億人というふうに、1700年かけて3倍になった人口が、1700年から2000年の300年間で10倍になっている。

経済統計で見る世界経済2000年史