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2017年5月9日火曜日

教育社会学者の苅谷剛彦氏が、家庭環境が子供の「努力する才能」を決める、という恐ろしい研究を発表している。
豊かな階層に生まれた子供達は、子供の頃からの習慣で「努力」が難なくできるので、学習意欲も高いし、結果的に学校の成績もよくなる。
しかし、貧しい階層の子供達は、そもそも「努力」する習慣がない。
学校で学ぶ意義を見つけられず、あくせく勉強することに価値を感じていない。
だから彼らは、将来の生活よりも現在の学校生活を楽しもうとし、
「いい学校に行けばいい人生が待っている」という物語を信じられず、「自分探し」に奔走するようになるという。
つまり、生まれた家によって「意欲の格差」が生じてしまうのである。
内閣府が実施した調査でも、貧しい家に生まれた子供の方が「テストで良い点がとれないとくやしい」と感じる割合が少なかった。
貧しい家の子供の方が、「意欲」という「非認知能力」が身についていないのである。
よく勉強や仕事ができない人に対して、「努力が足りない」という批判がされるが、「努力できる」という「能力」は、子供の頃に身につけた習慣に大きく影響されている可能性が高い。

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