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2016年8月7日日曜日

アメリカで最高級の老人ホームは、中西部の平凡な大学のキャンバス内にあるという。
大学の敷地内に建設された高齢者用高層マンションの価格は、ニューヨークの高級マンションの価格の2倍するにも関わらず、入居待ちの列ができているという。
てっきり大学病院にずくに行けるからだろうと推測するが、彼ら高齢者の関心は、大学の講義を自由に受けられることなのである。
高額マンションなので、入居者は富裕層であると共に、かつての有名企業経営者や投資家など、一般に人が羨むような肩書が並んでいる。
そういう富裕層の中には、実は若い時に文学を勉強したかった、哲学を勉強したかったという人が多く存在し、現役時代は仕事が多忙で踏み切ることができず、リタイアしてそこに入居すれば実現できるということが、購入動機になっているという。
ところが、実際に入居者が楽しいと感じることは別の所にあるという。
例えば、経営論の講義の場合、聴講生に高齢者がいると、教授が「ここで30年にわたって企業経営をしていたミスター〇〇に意見を聞いてみましょう」と指名する。
高齢者は若い人に自分の経験を話し、彼らと議論することほど楽しいことはないという事に気づいていくという。
地位や名声を持つ人が最後に辿り着いたのが、仲間や若者との触れ合いだったということなのである。

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