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2016年1月2日土曜日

ドフトエスキーの作品の中には、イエズス会とフリーメイソンの事が良く出てくるが、これらの団体をものすごく嫌悪している。
イエズス会を嫌悪しているのは、ロシア人全体で、ロシア語で「ジエズイツト」(イエズス会)という単語を『岩波露和事典』で引くと、一番最初に「ジェズイット イエズス会士」という語義が出てき、二番目に「偽善者、策略家」という訳語が出てくる。
イエズス会という組織は、現地の週間に極力順応し、相手の社会に入り込もうとするからで、例えば中国では典礼問題を起こし、イエズス会士の幹部が、中国皇帝の前で跪いた。
他のキリスト教の会派は決して跪くことはない。
インドで布教した際には、キリストがどこで生まれたかという問いに対して、「馬小屋で生まれたのではない、イエスは貧しい大工の子ではなく、バラモンの子」だとした。
イエスを貧しい大工の子だとしたら、カースト制度のあるインドでは、誰一人キリスト教に帰依しないからである。
16世紀に反宗教改革の影響で、ロシア西部にカトリシズムが入ってきたが、ロシア正教徒はカトリックに改宗しなかった。
ところが、イエズス会だけは、ロシアに特殊なカトリック教会である「ユニア教会」を作った。
カトリックでは「東方帰一教会」と訳している。
これはロシア正教徒がカトリックに改宗するなら、今まで通り神父は結婚を認めるので2つの事だけ変えてほしいというもので、1つはローマ法王が一番偉いと言ってくれ、もう1つは「ニカイア・コンスタンチノポリス信条」にある、もともと「聖霊は父から発出した」とあったのを、カトリックが「聖霊は父と子から発出した」と後から挿入したのを認めて欲しいというものだった。
このように16世紀頃に、イエズス会は見た目は正教と全く同じ形のカトリック教会を作って、ロシアに入ってきた歴史があるという。

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