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2014年10月3日金曜日

リベラル勢力は、日本の政治からいなくなってしまった。
リベラルは、リベラリズム(自由主義)の略で、その根底にあるのは自由や平等、人種などの近代的な価値に基づいて、よりよい社会を作っていこうという理想主義である。
リベラルが退潮した理由は、その思想が陳腐化したからではなく、理想の多くが実現してしまったからである。
リベラリズムが台頭したのは、権力者に不都合な事を書けば投獄や処刑され、黒人が奴隷として使役され、女性には選挙権も結婚相手を選ぶ自由も無かった時代である。
リベラルが夢見た社会が実現した結果、「現状で充分だ」という穏健な保守派ばマジョリティになるのは、先進国に共通している。
日本のリベラルは、護憲、TPP反対、社会保障制度の改悪反対、原発反対を唱えているが、原発を除けば、リベラルの主張は現状維持だということが分かる。
理想が実現してしまえば、その成果である現在を理想化するしかなくなる。
こうして夢を語れなくなったリベラルは、保守反動となり、穏健な保守派が「ネオリベラル的革命」を求めるという逆転現象が生じた。
日本共産党も、現在は共産主義革命の夢を語ろうとせず、「アメリカいいなりもうやめよう」という不思議なポスターを貼っている。
これは新右翼の主張と同じだが、リベラルが反動になったのならば、不思議なことではない。

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