大正末期から昭和初期にかけて活躍した葉山嘉樹というプロレタリア作家がいる。
数年前から『蟹工船』がブームになっているが、葉山の代表作である『海に生くる人々』はやはり船員の過酷な労働を描いた作品で、『蟹工船』より3年前に発表されている。
『蟹工船』では労働者が群れとして描かれているが、葉山は実際に船員として働いていた事があり、『海に生くる人々』の方が、細かい所にリアリティがある。
小林多喜二は明らかに先行する葉山の作品を読んだ上で『蟹工船』を書いており、船窓から見える暗い冬の海の描写など、偶然の類似では済まされない箇所があり、完全にパクリ作品である。
プロレタリア文学が日本共産党系と非共産党系に分かれた時、小林多喜二は共産党系に就いたが、葉山嘉樹は非共産党系に就いた。
戦後になり共産党系だけが正しいということで、葉山は歴史から抹殺されてしまい、今や全く忘れ去られた存在になっている。
戦後になり共産党系だけが正しいということで、葉山は歴史から抹殺されてしまい、今や全く忘れ去られた存在になっている。
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