Amazon

2015年11月27日金曜日

「資本家は利益を労働者には分配しない」
このことは、マルクスが『資本論』で明確に指摘している。
マルクスによれば、会社と雇用契約を結ぶということは、その段階でそこで働く人は労働力を会社に売っていると考える。
初任給や賃金など、その段階で労働力の対価が規定されており、その条件が不服であれば契約しなければいい、というのが企業側の考えである。
だから会社がどれだけ儲かっても、頑張って利益を上げた社員がいても、それを会社と従業員の間で分配することはなく、雇用契約で決まった賃金の範囲を大きく超えることはないのである。
利益は経営陣、株主によって独占され、そこで分配され、分配の場から労働者は排除されている。
マルクスはこれを「搾取」の構造であると指摘する。
これに対して、近代経済学では、賃金を「分配」と考え、労働者の給与は企業収益の分配だとする。
しかし、分配であるならば、利益が2倍になるならば賃金も2倍にならねばならないが、実際にはそうはならない。

0 件のコメント:

コメントを投稿