Amazon

2014年1月19日日曜日

我々は基本的な教育や訓練を受けているため、発せられる一つひとつの情報が深くなり、伝達スピードが速くなっても、丹念に検証すれば理解できる。
ただし、多くの情報を理解するためには膨大なエネルギーがかかり、一つひとつ丹念に検証しているとクタクタになってしまう。
その結果、「順応の気構え」が出てきてしまう。

何か理解できない事があれば、誰かが説明して自分を説得してくれるだろう。
何か引っかかることがあっても、誰かが検証してくれるだろう。
そんな「順応の気構え」が出ることで、積極的に自分で物事を検証するという発想が出なくなってしまう。
正しくて質が高く、深い情報が大量に出れば出る世の中ほど、その傾向は強まってしまう。

晩期資本主義における正統化の諸問題 (1979年) (岩波現代選書〈29〉) 

0 件のコメント:

コメントを投稿