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2017年2月18日土曜日

鳩山由紀夫・元総理の意思決定理論に関する論文は、けっこう面白い。
1000人と面接して理想のパートナーを見つける場合、どうやって選んだら良いのかという研究である。
1回断ったら、その人を選ぶことは二度とできないという制約条件がある。
彼は、マルコム連鎖をもとに計算して、368番目までは全員断って、それ以後で368番目までと比べて少しでも良い人が来たら、その人に決める。
そうした場合に確率的に最も良いパートナーを選ぶことができるという結論を導き出している。
では、なぜ決断の専門家である鳩山氏が沖縄問題やその他の問題で失敗したのか、彼自身が2005年に講演で言っているが、日本の政治には腹芸だとか根回しが多すぎる。
そうした非合理的なプロセスや要素を排して、新しい合理的な政治を作るために自分は政治家になったという。
つまり、政権の最終目標を「目的関数」として定め、その上で何が可能で何が不可能なのかといった「制約条件」をハッキリさせれば、取るべき道は決まる、という合理的な政治ができる、鳩山氏は自分の得意分野を政治に応用しようとしたのである。
しかし、鳩山氏が考える「制約条件」は今生きている人間が作るものであり、日々刻々と変わる。人間自体が複雑系である。
鳩山氏の考える複雑系はあくまでも関数体の中にある複雑系であり、その外側に見えない世界があるという感覚を持っていなかったのであろう。
「見えない世界」とは先験的、超越的な感覚ということで、論理の祖とにそうした感覚の世界があることを、理解しておくことはリーダーにとっては大事なことである。

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