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2018年2月20日火曜日

リスクには、管理可能な確率的リスクと、管理不可能な不確実性のリスクがある。
管理可能なリスクは、保険によって社会に組み込まれていく。
自動車の発明は、人類に移動の自由を飛躍的に拡大し、物流を効率化して社会を豊かにしたが、一方で日本では年間4千人が交通事故で死亡している。
人の命はお金には代えれないが、それでも無理矢理、金銭に換算して損害を賠償する。
これが可能なのは、交通事故が管理可能な確率的なリスクだからである。
それに対して、原発事故は起きるとその損害は天文学的に膨れ上がる。
放射能に汚染されたがれきの処理や土壌の除染費用の試算は、2013年の11兆円から、2016年には21.5兆円へ僅か3年で倍増した。
それでも事故前の住環境に戻すことは不可能で、避難した人達の生活支援や精神的損害の賠償も、際限なく増えていくであろう。
人類は放射能を安全に管理する科学技術を持っていない。
だとすれば、「核」は元々手を出してはならない禁断の果実だったといえる。

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