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2015年9月13日日曜日

マイナンバー制度の正式名称は「社会保障・税番号制度」という。
この制度は、あたかも現在の安倍政権が設計し、導入したと思っている人が多いが、実際には50年近く前から何度も構想として議論され、復活しては潰されたという歴史を繰り返してきた。
発端は1968年で、同時の佐藤栄作内閣が検討した「国民総背番号制」で、個人の所得を把握し、高所得者から税金を徴収する事を目的としたものであった為、市民生活への国家権力の過度の介入が反対理由となり立ち消えてしまった。
その後1980年に、大平正芳内閣時に、「グリーンカード制度(少額貯蓄等利用者カード)」が導入されることとなった。
当時あった「マル優」という元本300万円までの預貯金に付く利子は非課税となる貯蓄制度を悪用して、複数の口座を開いて脱税する不正が横行し、グリーンカードで口座を管理することで不正口座の把握を使用とした。
政府の思惑通り1980年3月に、このグリーンカード制度を盛り込んだ所得税法改正案が可決されたが、仮名口座に預けられた預貯金が引き出され、金や海外企業が発行する債券に流出したしまった。
その結果、金融業界と郵政からの反発を受けた最大派閥の田中派が野党も巻き込んで政局化し、大平内閣の後継となる鈴木内閣に圧力をかけ、1982年8月に制度の3年間先送りを決定し、中曽根内閣の1985年3月に制度の廃止が決定された。
それから30年後の安倍内閣において、今回のマイナンバー制度が可決されたのである。
しかし、このマイナンバー制度を設計したのは、結党以来一貫してこの制度の導入を掲げていた民主党である。
2009年に政権を取った直後に法整備に着手し、2011年の菅内閣で「社会保障・税背番号要綱」を決定し、2012年2月に野田内閣で「マイナンバー関連3
法案」を閣議決定し、国会に提出している。
ところが法案成立の2週間前に衆院解散により、廃案となってしまった。
その後、政権に返り咲いた安倍内閣で、民主党案をほぼ丸のみで、2013年3月に公開に提出し、5月に成立に至ったのである。

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