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2015年11月21日土曜日

2010年のG20トロント・サミットで、他の国々が累積赤字の対GDP比をこれ以上悪化させないとか減少させるという目標の中、日本は「2020年度までにプライマリーバランスを黒字化する」という超大甘な国際公約で勘弁してもらった。
日本のプライマリーバランスは、21世紀に入ってからずっとマイナスの状態で、2014年度は対名目GDP比で▲4.4%と、よほどの奇跡が起こらないと達成できそうにない。
2015年7月に内閣府が経済財政諮問会議に提出した「中長期の経済財政に関する試算」によると、アベノミクスが成功して、今後5年間、名目GDPが3%以上、実質GDPが2%以上の成長が続くとする「経済再生ケース」でも、2020年度のプライマリーバランスはマイナスであり、2015年度の16.4兆円の赤字から縮小されるものの6.2兆円の赤字となる。
http://www5.cao.go.jp/…/k…/minutes/2015/0722/shiryo_03-2.pdf

この超プラス思考の試算では、実質GDP成長率2%以上が5年間続く前提となっているが、IMFの試算では日本の潜在GDP成長率は0.5%~1%とされている。
潜在成長率とは、資本、労働力、生産性ほ最大限稼働して達成可能な成長率であり、中長期的な成長率の天井となる。
日本の労働人口は毎年2%ずつ減っているので、潜在成長率を2%に引き上げるには、生産性をアメリカの2倍に引き上げねばならない。

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