Amazon

2015年11月25日水曜日

人類史上最大の金融詐欺事件は、アメリカのバーナード・マドフ事件で、被害総額650億ドル(6兆円)という、とんでもない規模の詐欺が25年間も続いていた。
その手口は驚くほど単純で、古典的なネズミ講だった。
マドフはNASDAQ市場の創業メンバーで、会長にまで上り詰め、マドフ証券という証券会社も創業していた成功者で、彼が個人的に運用する「マドフ投資の会」を通して、人類史上最大のネズミ講は運営されていた。
マドフは毎年10%の配当を投資家に還元しており、着実にリターンを上げていたように見え、評判を聞きつけ集まってくる投資家の中でも選ばれた富裕層しか投資できないマドフのファンドは増々魅力を増していった。
ネズミ講は、それがネズミ講だと人々が気づくまで、誰もが儲かっていると錯覚できる仕組みで、最初に参加して破綻の前に退出する投資家が、後からやってくる投資家のお金をむしり取るゲームである。
25年間も富裕層から新規投資をかき集め続けたマドフのネズミ講は、リーマンショックを引き金とした世界同時金融危機で、多くの金融機関が資金繰りに困り、一気に資金を引き揚げる事となり、投資資金の返還に応じられなくなって、破綻した。
逮捕された当時72歳だったマドフに懲役150年が言い渡され、ビジネス・パートナーだったティエリは手首を切って自殺し、息子のマークはマドフ逮捕から丁度2年目の日に首を吊り自殺した。
日本にも「マドフ投資の会」とそっくりな仕組みの世界最大の「公的年金」という制度がある。

0 件のコメント:

コメントを投稿