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2017年9月17日日曜日

アメリカを代表する30社の株価平均である「ニューヨーク・ダウ」のチャートを見ると、1928年の大恐慌を大底に、その後は見事な右肩上がりとなっている。
「長期投資は成功する」という投資理論の原則は、このニューヨーク・ダウから導き出された一種の経験則に過ぎない。
それも株価が大きく上昇し始めた1980年代半ば以降に唱えられたものである。
アメリカでもベトナム戦争に突入した1960年代から1980年代半ばまで、20年にわたる株価の低迷を経験した。
「株式の死」と呼ばれたこの時期には、誰も長期投資など説くことはなく、株式投資はアメリカ゛てもギャンブルの一種と考えられていたという。
しかしその後、アメリカの株式市場には1987年のブラックマンデーはあったものの、2000年のITバブル崩壊までの20年に及ぶ大きな上昇の波が訪れ、これがいわゆるニューエコノミー相場で、長期投万能理論はこの「黄金の20年」に確認した。
これに対して日本の株式市場には、長期投資の成功を理論的に裏付ける適したチャートは存在しない。
そこで日本の資産運用本では、無理やりアメリカ型のノウハウを当てはめざるを得なかった。
人類が貨幣を発明して以来、何度かの停滞はあったものの、経済規模は一貫して拡大してきたから、投資レンジを長くすれば長期投資が確実に富をもたらすことは間違いない。
ただし、これは100年単位の話であり、我々が生きている間に長期投資から富が得られるという保証はどこにもない。

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