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2017年10月15日日曜日

トランプ大統領が、選挙中に公約で言った通り、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移動したら、第五次中東戦争が勃発しかねない。
1967年の第三次中東戦争(六日戦争)でイスラエルは圧勝し、東エルサレムを占領した。この時にエジプトから市内半島とガザ地区を、ヨルダンから東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区を、シリアからゴラン高原を占領している。
ところが、この占領を全会一致で無効とした国連安保理決議242号があり、米英仏ソ中も日本も賛成している。
だからイスラエルが、一方的に「エルサレムは我が国の首都だ」と宣言しても、まともな国はどこもエルサレムに大使館を置いていない。
そこにアメリカ大使館を移転するとトランプは公約したのである。
2017年1月20日の大統領就任演説を聞くと、トランプ大統領の真意が理解できる。
彼はユダヤ系の歓心を呼ぶためなんかではなく、自分の信念からエルサレムに大使館を移転させようとしている。
今回の就任演説は、まず「私たちは古い同盟関係を強化し、新たな同盟をつくります。そして文明社会を結束させ、イスラム過激主義を地球から完全に根絶します」と、ISもアルカイダも皆殺しにすると宣言した。
続いてアメリカへの忠誠心や愛国心を強調した後、「聖書は『神の民が団結して生きていることができたら、どほどすばらしいことでしょうか』と私たちに伝えています」と、『旧約聖書 』詩編の第133編1節の言葉を引用した。
引用部分は、直訳に近い日本聖書協会の新共同訳によると「見よ、兄弟がともに座っている。なんという恵み、なんという喜び」となっている。
これは、ダビデ(イスラエル第二代王)がエルサレムを奪ってイスラエルの首府とし、さあ、これでヤハウェ紙の教えに基づく世界支配を、ここエルサレムから存分に広める事ができる、と人々が集ってともに礼拝し、喜び祝う詩の冒頭部分なのである。
トランプ大統領は、キリスト教徒だけが聖典とする新約聖書ではなく、キリスト教徒とユダヤ教徒の両者が聖典とする旧約聖書から、あえて引用してイスラエルと全世界のユダヤ人に「私はあなたたちと価値観を共有している」というメッセージを送ったのである。

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