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2017年10月15日日曜日

アメリカの政治思想に影響を与えた重要な思想家がいる。
アメリカでは誰でも知っているが、日本では知名度がないラインホルド・二―バーという神学者で政治学者である。
1944年に『光の子と闇の子』という本を書きベストセラーになった。
どんな考え方かというと、新約聖書のルカによる福音書に「この世の子らは、この世界では光の事よりも賢い」というフレーズがある。
ある金持ちの財産管理人が、主人の財産を浪費したとバレた。
もうクビだと観念した管理人は、どうするか考えた末に、主人の債務者を一人ひとり呼び寄せて借金を申告させ、片っ端からマケてやった。
そうすれば、誰かが自分を迎えてくれるだろうと。
この不正な管理人をイエスが「賢い」と評した。
世の中には「光の子」たちと「闇の子」たちがいる。
光の子たちは、イエスを信じる弟子やキリスト者で、一つの理想を持って生きている。
一方で自分が生き残るには平気で嘘をつき、死ねば何も残らないんだと思っているのは闇の子たちで、世俗の多くの人々がそうであり、彼らの方が実は抜け目なくて賢いと。
両者がこの世界で喧嘩したら闇の子たちの方が色々と知恵を使うから勝ってしまう。
アメリカやイギリスの民主主義者やソ連の共産主義者は「愚かな光の子」というのが、二―バーの考え方である。
闇の子ナチスは最初、共産主義者たちは敵だ、と反共で味方を増やし、次に英米陣営は敵だと共産主義にすり寄って、光の子たちを仲違いさせ世界制覇を狙っている。
だからアメリカは、不介入主義やモンロー主義を掲げて傍観しているのではなく、世界に出ていき、光の子である英仏ともソ連とも手を握って闇の子に立ち向かわねばならない、とニ―バーは主張した。
ニ―バーは、歴代大統領のルーズベルト、トルーマン、ケネディ、ブッシュ親子、クリントン、オバマなどに絶大な影響わ与え、アメリカは世界展開しなければいけない、という思想を作った。
歴代大統領は、みんな演説でニ―バーを引用している。

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