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2016年1月18日月曜日

国家間の資本移動に関して、「ルーカス・パラドックス」と呼ばれる近年のグローバル経済に特有の現象がある。
この現象は、資本が豊かな経済先進国から資本が不足している貧困国へ移転するのではなく、経済先進国に資本が留まる現象を指している。
かつてパックス・ブリタニカと呼ばれた英国を頂点とするグローバリゼーションが19世紀から第一次世界大戦勃発まで存在したが、当時は資本が過剰な国からの直接対外投資の25%は貧困国向けだった。
しかし、現在の資本が過剰な国から低開発国向け直接対外投資は5%に過ぎない。
ルーカス・パラドックスが発生する原因で有力なのが、IT技術の出現による経済構造の変化が挙げられる。
世界に展開された事業拠点に、通信ネットワークを張り巡らし、管理コストの重層性を排除でき、世界レベルで事業の効率化が可能となった。
今日、有利な投資案件の多くは経済先進国にあることが多く、資本は経済先進国に留まり続ける。

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