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2016年8月19日金曜日

米政治学者のチャールズ・マレーは、行動計量学者のリチャード。ハーンスタインと共著で1994年に『The Bell Curve』(ベルカーブ)を出版し、全米に憤激の嵐を巻き起こした。
本の中で、白人と黒人の間にはおよそ1標準偏差(白人の平均を100とすると黒人は85)のIQの差があり、これが黒人に貧困層が多い理由だと述べたからである。
『ベルカーブ』はベストセラーとなったものの、マレーは「白人と黒人の知能の差を暴いた」と評価されることが不満だった。
なぜなら、彼らは本の中で、「アメリカ社会を経済的に分断するのは人種ではなく、知能格差だ」と主張していたからである。
この仮説を検証するために、『階級「断絶」社会アメリカ』を出版した。
この本でマレーは、人種問題を回避するために、分析対象を白人に限定し、知能の格差が彼らの人生にどのような影響を与えるかを調べた。
大学や大学院を卒業した知識層と、高校を中退した労働者層とを膨大な社会調査のデータを集めて比較したのである。
まず郵便番号と国政調査の世帯所得から所得の上位5%、年収20万ドル以上の富裕層が住んでいる場所を抽出し、彼らが特定の超高級住宅地域に集中している事を突き止めた、
次いで、多くの企業経営者を排出するハーバード・ビジネススクールと、ハーバード大学、プリンストン大学、エール大学の3つの一流大学の卒業生名簿から、40代と50代の住所を調べた。
その結果、HBSの卒業生の61%が超高級住宅地に住み、全体の83%が(世帯所得では上位2割)、高級住宅地に住んでいた。
一流大学でも卒業生の45%が超高級住宅地に、74%が高級住宅地に住んでいた。



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