Amazon

2017年2月21日火曜日

我々は複雑系の中で生きているので、この自分を取り巻く複雑な事柄を一つ一つ解明するために割く時間やエネルギーはない。
しかし、複雑性には縮減するメカニズムがある。法律を作る、マニュアルを作るというもがある。
そして、人間が持つ一番重要かつ効果的に複雑性を縮減するメカニズムは「信頼」だとするのが、ニクラス・ルーマンの仮設である。
信頼によって、相当程度、判断する時間と過程を省略できる。
一方、ユルゲン・ハーバーマスは「順応のメカニズム」という事を言っている。
世の中の複雑さを構成する一つ一つの良そうを一から自分で情報を集め、理屈を調べ、解明していくと時間が足りなくなってしまう。
だから自分が納得できないことがあるとしても、「誰か」が発した意見をとりあえず信頼しておく。
これが続くと、「順応の気構え」が出てきて何事にも順応してしまうという。
順応と信頼はコインの裏表であり、一度信頼してしまうと「おかしい」と思っても、なかなか見直しができなくなる。
なぜかというと、信頼した人に裏切られたという意識を持つことによって、つまらない人を信頼してしまった自分が情けなくなるからである。

0 件のコメント:

コメントを投稿