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2017年6月25日日曜日

日本で最近まで使われていた政府紙幣は「B円」である。
1945年9月2日、日本が降伏文書に署名した直後に、GHQは日本政府に「三布告」の即時実施を突き付けた。
三布告とは、通貨の発行権と司法権をGHQが握り、公用語を英語にするというものだった。
ポツダム宣言に違反するこの指令は、幸いにも外務官僚の機転と全力の交渉によって実施が見送られたが、米軍の施政下に置かれた沖縄では、米軍による通貨(厳密には軍票)の発行が行われた。
1946年4月15日に、米軍はB円を沖縄の公式通貨と定め、日本円の流通を原則禁止したので、B円は沖縄で使われる唯一の通貨となった。
このB円を使って、米軍は米軍基地の建設や駐留経費を支払った。
つまり米軍はB円の印刷代だけで、沖縄の労働力を使い、物資を調達したのである。
当初は1日本円=1B円だったが、1950年4月には3日本円=1B円へと通貨を切り上げ、米軍のB円高政策によって、沖縄の産業本土への競争力を失い、製造業の空洞化が進んでしまった。
沖縄で10年以上、米軍の財政を支えたB円は1958年9月に米ドルへの交換が行われ、廃止された。
ちなみに、太平洋戦争時代は、日本軍も進駐先各地で軍票を発行して、通貨発行益を手にしている。

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