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2017年9月6日水曜日

出版流通の慣行において、本の返品率が上昇すると問題が起こることになる。
取次にとって1万部の適正な返品率が20%だとすると、結果として返品率が30%になった場合、適正返品率を確保する為に、次回の納品数を8750部に減数されることになる。
これで前回と同じく実売7000部ならば返品率が20%に収まるからである。
同様に返品率40%(実売6000部)なら次回の納品数は7500部(6000部÷実売率80%)、返品率50%(実売5000部)なら6250部(5000部÷実売率80%)になる。
仮に定価1000円の本で、取次への納品数が6000部になると、売上は600万円、仮払金は420万円(6000部×✖️仮払率70%)にしかならない。
もともとは1万部分の仮払金として700万円を受け取っていたので、返品率の上昇によって入金額が4割も減ることとなり、資金繰りに窮してきまう。
出版社がこの苦境を乗り切る為には、6000部の本をもう1冊作ることになる。
価格と部数が同じだとしとも、これだけで取次から受け取れる仮払金は840万円となり資金繰りは改善する。
このようなカラクリの結果、近年、出版点数が増えているのである。

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