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2016年12月15日木曜日

国税庁は海外に派遣した調査官の実態について明らかにしていない。
彼らは「長期出張者」という扱いで、国際業務課に籍を置き、世界18都市に「現地事務所」と呼ばれる拠点を構えている。
派遣先はワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、オタワ、ロンドン、パリ、ボン、ベルン、アムステルダム、ソウル、北京、上海、香港、ジャカルタ、バンコク、マニラ、シドニー、シンガポールである。
そこには大使館など在外公館ではなく、民間のマンションの一室を借上げ、住居兼事務所としている。
総勢約20人で、このうち2人は多国籍企業の国際的租税回避スキームを解明する「国際タックスシェルター情報センター(JITSIC・ジトシック)」に派遣される。
このセンターは米英豪加で設立され、ワシントンとロンドンに秘密の事務所が置かれていた(現在は廃止)。
「長期出張者」は2から3年間、任地に身を潜める特殊任務であり、海外赴任手当は出ない。
出張旅費と日当、宿泊費が支給されるだけで、派遣される者の多くが35歳前後の独り身である。
彼らの多くは語学に長けた大卒の国税専門官出身で、国税ノンキャリア組の出世コースである。
「長期出張者」は「OFFICAL PASSPORT」と記された緑色の公用旅券(グリーンパスポート)を持たされ、任地に向かう。
大使館など在外公館に勤務するのであれば、外交旅券「DIPLOMATIC PASSPORT」と外交特権が付与されるが、国税庁は調査官を在外公館勤務にしてしまうと、外務省の管轄下に入り、独自行動がとれなくなる為、「長期出張」という形で海外に配置しているのである。

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