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2017年7月20日木曜日

田中角栄が凄いのは、心配りである。
角栄が先方に呼ばれて運転手付きの車が迎えに来た時に、角栄は必ずその運転手に心付けを渡したという。
早坂茂三に対し、角栄から問いかけがあった。
「お前なら、どう渡す? いつ渡す?」
早坂が、「乗った時に後ろから渡せばよいでしょう」と答えると、角栄は「バカ!」と即答し、「それじゃあ俺が見てるたろう。そうじゃないんだ」と言った。
車が先方に着くと、まず角栄が降りて視線は角栄に集まる。
運転手がドアを開けて、角栄が下りる。
角栄が歩いて行ったら視線は、みんなそっちに行く。
残されたのは早坂と運転手だけになる。
「その時にスッと手元に渡すんだ、受け取る方もお金だと、屈折するものがある。その屈折をなるべく少なくする形で渡すんだ」
心付けを渡す際の、この過剰とも思える気遣いに対して、感心するほかない。
こういった心付けを拒否する人がいる。
そういった人に角栄はこう続けたという。
「君にやるんじゃないんだ。君が部下と飲む時にな」
これで、受け取り易くなるという。
これは塾や学校で教わることはできない一つの知恵である。

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