アメリカの巨額の貿易黒字が世界経済に与えた悪影響のもう一つは、世界恐慌を引き起こしてしまったことである。
巨額の貿易黒字を続けていたアメリカには、大量の金が入ってきた。
当時の世界経済において主要国の多くが金本位制を採用しており、貿易の最終的な決済は金で行われていた。
当時の世界経済において主要国の多くが金本位制を採用しており、貿易の最終的な決済は金で行われていた。
そして、アメリカは世界貿易シェア1位だったにもかかわらず、アメリカ自体は農産物も資源も豊富にあり、輸入を必要としていない国だった。
世界恐慌が起きた1929年におけるアメリカのGNPに対する貿易の割合は、輸出が5%、輸入が3.4%に過ぎなかった。
しかもアメリカは集まる一方の金を更に貯めこむ政策を採ってしまう。
本来、金本位制のもとでは、金が流入すれば通貨量を増やさねばならない。金が集まった国が通貨を増やすことでインフレが起こり、物の値段が上がるので国際競争力は落ちる。
そのため、集まった金が流出していき、金本位制の各国の貿易バランスが取れるという仕組みになる。
本来、金本位制のもとでは、金が流入すれば通貨量を増やさねばならない。金が集まった国が通貨を増やすことでインフレが起こり、物の値段が上がるので国際競争力は落ちる。
そのため、集まった金が流出していき、金本位制の各国の貿易バランスが取れるという仕組みになる。
しかし、アメリカは国内でインフレが起きることを警戒し、金が増えているにも関わらず、通貨量を増やさなかった。
1922年8月以降、流入した金は連邦準備銀行の金準備に含めないようにしたのである。
1922年8月以降、流入した金は連邦準備銀行の金準備に含めないようにしたのである。
よって、アメリカに金が大量に入ってくるにも関わらず、アメリカの国際競争力は落ちず、貿易黒字は増え続け、その結果1923年末には、世界の金の4割をアメリカが保有してしまう。
アメリカばかりに金が集まると、当然、他国では金が不足し、他国から物を買えなくなり、貿易も収縮してしまう。
世界の金の4割が集まるアメリカに投資が集中し、アメリカの株式市場が加熱し、そして爆発したのが世界恐慌なのである。
世界の金の4割が集まるアメリカに投資が集中し、アメリカの株式市場が加熱し、そして爆発したのが世界恐慌なのである。
つまり、アメリカの輸出過多により世界貿易の通貨である金を貯め込むんことが、世界恐慌や第二次世界大戦の背景にあった。
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