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2015年4月26日日曜日

『失われた国家の富』の著者ガブリエル・ズックマンは、ピケティの弟子である。
ズックマンの調査により、タックス・ヘイブンの実態が推測できるようになった。
タックス・ヘイブンの金融機関に、非居住者が株式や債券を保管している場合、それらの金融資産は彼らの本国の対外資産としては計上されないため、世界全体としてみた場合、統計数字の上では、対外資産総額が対外負債総額よりも少なくなってしまう。
この点に着目したズックマンは、タックス・ヘイブンに存在する資産は、その所有者が明らかにされていないことを逆手にとって、対外資産・負債の食い違いがタックス・ヘイブンにある資産残高を示しているはずであるという発想に至ったのである。
そして、タックス・ヘイブンにある金融資産については、銀行に顧客情報の秘密を守るという方針があるために、その大部分が資産所有者の本国において税務申告されておらず、これによって世界全体で少なくとも年間1300億ユーロの税収が失われていると主張している。

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