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2015年9月8日火曜日

2013年11月23日に、中国国防省は尖閣諸島上空を含む空域に独自の「防空識別圏」を設定した。
防空識別圏とは不審な飛行機が事前申告なしら近づいてきた場合、戦闘期を緊急発進させて警告を与えるために、各国が独自に設定する空域のことである。
この中国の発表の3日前に、オバマ政権のスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官が、ワシントンD.C.で講演し、その中で尖閣諸島の主権の貴族に触れ、「アメリカ政府は日中いずれかの立場もとらない」と明言した。
この戦略眼のないライス発言こそが、中国政府に防空識別圏の設定へ踏み切られる引き金となったのである。
1950年1月に、冷戦外交の設計者と言われたディーン・アチソン国務長官が、「アメリカが安全保障上責任を持つのは、フィリピンから沖縄、それに日本列島からアリューシャン列島に至るラインである。それ以外の地域には責任を持たない」とワシントンで演説した。
世にいう「アチソン・ライン」の設定である。
これに従えば、ベトナム半島、台湾、朝鮮半島はアメリカの防衛犯意の外に置かれてしまうことになる。
この半年後、金日正率いる北朝鮮軍の精鋭7個師団が、38度線を越え、朝鮮戦争が勃発するのである。
今回のライス発言は、このアチソン発言に匹敵する重大な失言なのである。

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