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2015年10月20日火曜日

経済学における投資とは、自分や他者の生産能力を向上させるために資金や力を注ぐことであるが、その可能性を大いに秘めた投資先が子供の教育への投資である。
最も費用対効果が高いのは、就学前の子供たちへの投資である。
そして就学前に特に成長する能力である非認知能力(独立心、協調性、我慢強さ、感謝する心、挑戦し試練を克服する力など)のような性格とか気質を育てる事への投資が最も効果が高いという。
アメリカで1962年頃から始まった「ペリー・プレスクール・プロジェクト」という3歳から4歳の子供達を対象にした実験が行われた。
貧しくて幼稚園に通えない子供に対して、2年間に渡り就学前教育を施し、同様に貧しくて就学前教育を受けていない子供達と小学校に入学後の学力を比較した。
ところが、早い段階で学力の差は無くなり、実験は失敗とされた。
しかし、40年後に労働経済学者ジェームズ・ヘックマンが、再びこの実験に注目し、ペリー・プレスクール・プロジェクトを受けた子供達が40代になった時の経済力を調べた所、大きな差が出ていた。
就学前教育を受けていたグループは、受けてないグループと比べて、所得も持ち家率も高く、生活保護を受けていない割合も高かった。
この追跡調査の結果から、ヘックマンは、就学前の適切な教育が非認知能力を育て、大人になってからの所得に影響を及ぼす事を明らかにした。
つまり非認知能力が、勉強や仕事に対する意欲に長く影響することを発見したのである。

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