かつて東芝は、府中工場で「村八分裁判」を起こされている。
府中工場で働く上野仁に対して、会社が労働組合と一緒になって人権侵害と村八分を繰り返し、たまりかねた上野が訴えたのである。
これが上野ひとりに対する問題ではなく、とにかく「変わった考え方」をする人間を許さないという社風は、1974年春に結成された東芝の秘密組織「扇会」を調べると、よく理解できる。
企業内CIAと呼ばれた、このスパイ組織の実態は、上野裁判の過程で明らかになり、東芝を慌てさせた。
組合執行部を「健全派で固める」とか、配置転換について「応じるという結論を出さねば職場におられないムードを作る」ために努力すると誓っている扇会の文書には、「問題者への対応」という章があり、「問題者」を判断するポイントを挙げている。
まず、職場での徴候判断のポイント。
・企業内(職場)では、行動に空白部分が多く、昼休み時、就業後の行動が見当つかない。
・自主的な傾向が強くなり、職制に対する協調性が弱くなる。
・就業規則等をよく知り、有給休暇、生理休暇の全面行使など、権利意識が強くなる。
・朝のお茶くみ、掃除、その他のサービス労働に抵抗するようになり、奉仕的な美徳をなくする方向に力を入れる。
・特別な理由もないのに、特定日の残業をしない。
・昇給時に同僚の昇給を聞いて歩いたり、上司、会社の査定について職制にいろいろ問い質す。
・企業内(職場)では、行動に空白部分が多く、昼休み時、就業後の行動が見当つかない。
・自主的な傾向が強くなり、職制に対する協調性が弱くなる。
・就業規則等をよく知り、有給休暇、生理休暇の全面行使など、権利意識が強くなる。
・朝のお茶くみ、掃除、その他のサービス労働に抵抗するようになり、奉仕的な美徳をなくする方向に力を入れる。
・特別な理由もないのに、特定日の残業をしない。
・昇給時に同僚の昇給を聞いて歩いたり、上司、会社の査定について職制にいろいろ問い質す。
問題者を発見するためのポイントは多岐にわたり、それを思われる人間がいると、1800余名の会員でスタートした扇会のメンバーが尾行したりして、その結果を「本社勤労部」に通報するのである。
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