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2016年8月15日月曜日

リーマンショック後に、世界の工場だった中国は、経済を立て直すために4兆元もの規模の経済対策を実施した。
これは中央政府が支出した「真水」にすぎず、実際には中国企業と地方政府の投資意欲に強烈な刺激を与え、その規模は20兆元(320兆円)まで膨れ上がったとも言われている。
これにより中国は過剰な設備が増えてしまった。
例えば、建設・土木工事に必要不可欠なセメントの消費量をみると、中国が2011年から2013年の3年間に使ったセメントの消費量は64億トンで、これは米国で20世紀の100年間に使われた消費量44億トンを大きく上回っている。
世界のセメント生産量は2013年に40億トンに達したが、そのうち中国の生産量は23億トンと世界シェアの5割以上を占めている。
中国の生産能力は、セメントや鉄鋼などにおいて、中国以外の世界の設備の過半を不要にするほどの規模に達しているのである。
これらの設備を維持しようとすれば、中国の成長が止まり国内で吸収できなくなれば、世界中にモノがあふれ、物価が下がり世界経済にデフレを引き起こす可能性がある。
2014年に設立されたAIBB(アジアインフラ投資銀行)の目的には、中国国内の過剰生産設備という「中国バブル」を輸出するという狙いがある。

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