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2014年11月9日日曜日

日本には借り手に極めて有利な借地借家法があり、一度、賃貸契約を結んでしまうと、借り手が賃料を払い続けている限り、家主は退去を求めることはもちろん、賃料を値上げする事すら極めて困難である。
これは、借り手が実質的に不動産を所有しているのと同じことだから、安い賃料で家を借りられた人にとっては法外に有利な取引となる。
戦後すぐに都心の一等地で借家生活を始めた人達が典型で、バブル期には億を超える立ち退き料を手にすることができた。
しかし、その一方で、家主が借り手に不動産を「所有」されるリスクを織り込む為に、賃料に上乗せされて家賃が高くなるという問題が起こった。
礼金や更新料を取り、家主は不動産を実質所有されるリスクを減らし、借り手の回転率を上げて収益を最大化するのに最適なのは、転居の多い一人暮らし用のワンルームマンションに投資が集中することになった。
これが日本にはファミリー向けの良質な物件が少なく、賃貸市場が劣悪となっている理由だが、逆に考えると、賃借人にとっては、利回りの低い賃料で高額不動産を所有できるメリットとなる。

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