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2016年3月7日月曜日

2015年9月9日に、労働者派遣法の改正案が参院で可決され、周知期間を置かずに30日から施行された。
今回の労働者派遣法の改正を目指した背景には、労働界で「10・1問題」と呼ばれてきた民主党政権時代の規制強化策への派遣業界の不安があった。
リーマンショック後の覇権労働者の解雇急増を受け、民主党政権は「労働契約申し込みみなし制度」を整備し、3年を超えて派遣労働者を使う場合、受け入れ企業側が直接雇用しなければならないとし、少なくとも3年以上経てば、企業側から自動的に派遣労働者に対して雇用契約を申し込んだとみなされると規制した。通称「みなし雇用制度」と言われる。
この労働者派遣法が成立したのが、2012年4月で、半年ほどの周知期間を置き「みなし雇用制度」の施行開始日き2015年10月1日となり、10月1日をもって3年間を超える派遣労働者は正規雇用されることになった。
しかし、2015年4月に入ると、この規制について「労働者派遣法が改正されずに平成27年10月1日を迎えた場合の問題」と題された怪文書が永田町と霞が関に出回った。「厚労省内において作成」と出所まで記されているが、作成者は不明だった。
そこには、「改正されなければ、大量の派遣労働者が失業、派遣業界に大打撃となり、派遣先の経営にも支障が生じる」と書かれ、労働派遣者を減らす目的の法規制を逆手にとり、企業は正社員にしたくないので、あたかも派遣切りが大量に増えるかのような話になっていた。
雇用する企業側にとっては、派遣であろうが、直接雇用であろうが、必要がなければ労働者は雇わない。つまり派遣労働者は必要であるから雇われており、安い人件費で雇えるから都合が良いだけである。
今回の改正は、「派遣期間の3年を過ぎて同じ労働者を使ってはならない」とされ、派遣労働者を入れ替えれば、未来永劫、企業は派遣労働者を使えことができるようになった。これこそが今回の派遣法改正の肝である。

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