「運用期間が長い方がリスクは小さくなる」というのは完全に間違いである。
同じリスク資産に投資するならば、1年間投資するよりも2年間投資する方が、運用資産の額が取り得る範囲の上下は間違いなく拡大する。
「運用期間が長いと大きなリスクを取ってもいい」という誤った見解が投資家の間て根強い支持を得ている理由の一つに、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の著者パールトン・マルキールのように、正しいセオリーだとして教える権威がいるからである。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』最新版の「リスクは投資期間に依存する」というタイトルが付いた小項目で「株式投資のリスクも投資期間に応じて減少するのだろうか。答えはもちろん「イエス」である」という記述があり、「長期投資=リスク縮小」という誤解をする人が減らないのも無理はない。
この本が議論の根拠に挙げるデータ自体に誤りがある訳ではないが、データの見方が間違っている。
投資期間別に見た場合、投資期間が長くなるほど「年率の」投資収益率の上下のブレ幅が小さくなることをグラフで見せて、長い期間投資すればリスクが小さくなると説明しているが、これは不適切である。
投資期間別に見た場合、投資期間が長くなるほど「年率の」投資収益率の上下のブレ幅が小さくなることをグラフで見せて、長い期間投資すればリスクが小さくなると説明しているが、これは不適切である。
仮に投資期間1年で「年率の収益率」がプラスマイナス10%の範囲にあり、投資期間が2年間ではこれがブラスマイナス7%であったとした場合、「運用資産額」で見ると、1年後は投資資産額に対して上下90~110%、2年後では86.5~114.5%となる。
つまり「年率」の収益率の上下幅が縮んでも、その収益率が複数年に適用される訳だから、資産額の上下幅はそれなりに大きなものになる。
投資家にとっての問題なのは、運用資産の価値なのである。
つまり「年率」の収益率の上下幅が縮んでも、その収益率が複数年に適用される訳だから、資産額の上下幅はそれなりに大きなものになる。
投資家にとっての問題なのは、運用資産の価値なのである。
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