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2016年6月3日金曜日

マニラ日本人会診療所の医師によると、「フィリピンで病院に救急車で運ばれると、まず最初に『いくらまで補償される医療保険に入っていますか?』と聞かれ、支払能力が十分でなければ初期治療のみとなり、保険に加入していても対応限度額分の治療までしか施されない」と言う。
これはフィリピンの医療システムが関係しており、有名な私立病院では、医師が病院側と診察室の賃貸契約を結んでおり、デパートのテナントの様な関係となっている。
賃貸契約の相場は、高い時で1ヶ月数十万ペソもかかり、収入が少ない医師は継続して診察室を借りる事ができず、病院から追い出されてしまう。
このため、医師が病院で診療を続けるためには、賃料を支払うための効率良く安定した収入が必要となり、これがフィリピンでの「医療のビジネス化」に繋がっているのである。
その結果、フィリピンでは検査費用や診察料は病院や医師によって異なり、自己負担が3割の日本よりも高額になる場合がある。
新興国に移住するという事は、医療環境も含めて現実を検討する必要がある。
快適な老後を過ごす為に好条件が全て揃っている国などは無い。
日本は物価が高く、老後の生活に対する不安は高くなるが、全国どこでも同じ世界水準の医療を、低負担で受けられる。
一方、フィリピンでは一年中、温暖な気候に恵まれ、物価も日本4分の1と安いが、その分、医療を含めて不便な事が多くなる。
マニラなどの大都市には日本語が通じて質の高い病院が揃っているが、更に物価が安い地方都市になる質の高い医療は望めない。

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