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2016年9月26日月曜日

外務省には「事務連絡」という、ですます調で書く電報がある。
全くの事務的な連絡であり、正式な外交連絡ではない。
しかし、実は危ない話は全て「事務連絡」でやりとりされている。
更にもっと凄い「部内連絡」というのもあって、青色の紙の特殊な電報で、この存在を知らないまま外務省を去っていく人も多いという。
スパイ事件、大臣の悪口、他省庁の役人を陥れること、幹部の不祥事などに関するもので、一切存在しないことになっている電報で、特殊暗号を組んで作られる。
危ない電報や情報の責任者は、本省では局長で、その上の統括責任は官房長が負うことになっているが、実質的には官房長が何かを指示することはなく、不祥事が起きた時に責任を取るだけである。
だから実質の責任者は局長である。
但し、局長が電報の発信を止めることはまずないので、本当の責任者は課長であり、結局のところ大変な権限の委譲が行われている。
そして気の弱い課長だと、30歳前後の課長補佐や事務官に牛耳られてしまう。
そうやって下剋上が起きるのである。
ちなみに、在外公館では大使が権限者となる。

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