半ば固定化された格差が厳然と存在するフィリピンにおいて、国民を結び付けるアイデンティティは脆弱であり、階層を超えた国民的連帯を難しくし、民主主義の深化を阻んでいる。
フィリピンの最近の国勢調査でも、100種類以上の民族の分類が報告されており、全人口に占める比率が2%以上の民族だけでも9民族に上り、いかに多民族国家であるかが分かる。
フィリピンはタガログ族が過半を占めるというイメージがあが、最大勢力のタガログ族ですら、人口の25%程度を占めるに過ぎない。
その意味では、民族はフィリピン国民の共通のアイデンティティとはなりにくい。
フィリピンではフィリピノ語(実質的にタガログ語)が国語、英語が公用語となっているが、国勢調査で家庭内の使用言語をみると、タガログ語は全体の4割弱を占めているに過ぎない。
タガログ語以外をみると、各民族が別々の言語を持っている状況であり、タガログ語はあくまでも地方言語の一つであるし、英語は外来語であることから、国民を結び付けるアイデンティの源泉とはなりにくい。
タガログ語以外をみると、各民族が別々の言語を持っている状況であり、タガログ語はあくまでも地方言語の一つであるし、英語は外来語であることから、国民を結び付けるアイデンティの源泉とはなりにくい。
一方、フィリピン人の8割がカトリック教徒で、これにプロテスタントを加えると広義のキリスト教信者は人口の9割を占めている。
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