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2017年12月17日日曜日

シムズ理論の「予算制約式」とは、次のような式で表される。
名目借金残高÷物価上昇率=将来にわたって起きる「通貨発行益+基礎的財政収支(PB)黒字」の合計
つまり、「現在ある借金は、将来の通貨発行益とプライマリーバランスの黒字で返済されなければならない」という予算制約式を前提とした議論なのである。
基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは、国・地方の財政状況を示す指標の一つで、税収など本来の「収入」と政策実行にかかる「支出」を比べてプラスかマイナスかを表してものである。
左辺の分子である名目借金残高は、現在1071兆円と確定値である。
左辺を小さくするには、分子が1071兆円と決まっているので、分母を大きくする必要があるので、物価が上昇すれば左辺は小さくなる。
つまり、公共投資などの財政出動によってプライマリーバランスの黒字を小さくして右辺を小さくすれば、左辺の分母である物価を字幼少させる事が出来る、というのがシムズ理論である。
インフレが加速し始めると、日本銀行はインフレを抑えるために日銀の当座預金への「付利金利」を引き上げるしか手が無い。
付利金利を挙げれば上げるほど、通貨発行損が大きくなる。
通貨発行益の赤字幅が大きくなっても、右辺は小さくなるので、左辺の分母である物価もどんどん上昇することになる。
日銀がインフレを抑えようと付利金利を挙げるほど、物価の上昇は加速することになる。
シムズ理論によると、「日銀にはもうインフレを抑える手段はない」と宣言しているようなものである。

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