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2016年7月14日木曜日

2015年8月14日に閣議決定した戦後70周年の安倍首相談話は、戦後レジュームを追認する内容と、それに反発する内容が混在したねじれた構成になっていた。
中でも安倍首相のカラーが最もよく表れていたのが、以下の箇所だった。
「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そして先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背わせてはなりません。しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。」
問題なのはこの論理構成で、戦後生まれの世代が人口の8割を超えているということから、「あの戦争に何ら関わりのない」という結論を導き出すことはできない。
歴史とは自分が直接関与していない過去の出来事との連続性を無視しては成り立たない。
その意味で、「私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません」という認識は正しいが、それと戦後生まれの世代が「あの戦争には何ら関わりのない」という文言は明らかに矛盾しており、議論が錯綜しているのである。

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