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2016年7月16日土曜日

イスラム国の誕生により、中東において、シーア派のリーダーであるイランと、スンナ派のリーダーであり、メッカ、メディナの両聖地の管理者であるサウジアラビアという、2つの大国が「宗派主義」を自ら先頭に押し立ててしまった。
中東では宗派という想像された共同体が最も重要な共同体となっており、同じ国民でありながら、スンナ派とシーア派が対立し合うのが宗派主義である。
そこにスンナ派のイスラム国というイスラーム過激派集団が現れで、更に悪い事に「宗教浄化」を始めてしまった。
お互いに残滅するという方向に進んでいるのがシリア戦争の現状である。
実際にシリアで行われているのは内戦ではなく、ロシアが空爆を通じて当事国となっており、イランも革命防衛隊を投入し戦争当事国となっている。
イランは、最精鋭部隊のイスラーム革命防衛隊をイラクやシリアに秘密裡に派遣して、イスラム国との殲滅戦を展開し、一定の成果を挙げている。
このような状況にサウジアラビアは危機感を強め、イランよりイスラム国の方がまだましであると考えるようになった。
サウジアラビアとイランという国家が公然と国交を断絶したことは、最も厳しい事態だと言える。
理論的には、国交断絶というのは、次のステップは戦争行為ですよという意思表明なのである。

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