アメリカ的な民主主義の基本は、「白人の民主主義」だということである。
この点を家族の相続システムから明らかにしたのが、フランスの人類学者エマニュエル・トッドである。
トッドが提唱する「家族システム」とは、父子の間の関係と、兄弟姉妹間の相続関係によって世界を8つのタイプの家族型に分類し、それぞれの家族タイプのあり方が中心的なイデオロギーを規定するという理論である。
宗族システムが異なると、デモクラシーの理想型も異なってくる、つまりデモクラシーは単一の概念ではないということである。
例えば、地中海のヨーロッパ側、スペイン中央部のカスティリア地方やパリ盆地では、男女の別なく厳密な平等相続だったので、ここから「平等」を最も重要な価値とするデモクラシーの概念が生まれてくる。
パリ盆地型デモクラシーでは、平等の理念が絶対的価値をもっており、それが社会的平等に留まらず、経済的平等をも要求することになり、フランスでは社会主義と革命が蔓延することになったという。
パリ盆地型デモクラシーでは、平等の理念が絶対的価値をもっており、それが社会的平等に留まらず、経済的平等をも要求することになり、フランスでは社会主義と革命が蔓延することになったという。
それに対して、イギリス、ドイツ、日本では、伝統的に特定の一人が全遺産を相続する。
イギリスの場合、遺言が相続において重要な位置を占め、長男や長女といった生まれた順序、性別にかかわりなく、指名された人間が全ての財産を相続する。
ドイツ、日本は長子相続型である。
イギリスの場合、遺言が相続において重要な位置を占め、長男や長女といった生まれた順序、性別にかかわりなく、指名された人間が全ての財産を相続する。
ドイツ、日本は長子相続型である。
このように特定の一人が財産を総取りでそうぞくする場合、相続できなかった子供に対して救済する弱者改善措置が作用する。
ここから、社会的不平等が存在することを前提に、それを社会システムで解消することを第一とする、社会民主主義タイプのデモクラシーが生まれてくることになる。
ここから、社会的不平等が存在することを前提に、それを社会システムで解消することを第一とする、社会民主主義タイプのデモクラシーが生まれてくることになる。
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