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2017年3月28日火曜日

EUでは南部の国々が財政危機に見舞われているのに対して、北欧側は相対的に経済力が強いという非対称性がある。
この違いを読み解く鍵は宗教にある。
南部にはローマ・カトリック国、北部にプロテスタント国が多い。
北部ヨーロッパの強い経済の鍵になるのは、プロテスタントのカルヴァン派・改革派である。
彼らの信仰心の根底には、生まれる前から神に選ばれているという選民思想がある。
天国に神のノートがあり、そこに自分の名前が書かれている。
従って、カルヴァン派の信者は、「自分達はこの世での成功が保証されている。一見失敗したようであっても、それは神の試練であり、それに耐えれば必ず成功する。世の中のため人のために努力すれば神は喜ぶ。自分の人生は神を喜ばすためにある」という教えを信じている。
そこに生じる禁欲的な職業倫理が強い経済に結びつくのである。
一方で、カトリック国で資本主義が生まれなかったのは、天国における来世を重視するカトリシズムと関係がある。
この世はたかだか80年だが、あの世は永遠である。
だからカトリックの人々は自分がこの世に貢献するよりも、天国に行けるよう教会に寄付しようとするので、資本は社会を循環しない。
お金は教会にたまり、教会インフラという形で富を蓄積する。

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