Amazon

2017年3月28日火曜日

EUの最大の目的は、ナショナリズムの抑制である。
二度の世界大戦を経て、よーろっは゜はあまりにも大きすぎる犠牲者を出してしまった。
第一次世界大戦で1600万人、第二次世界大戦で5500万人の死者が発生し、さらにスターリン体制の下で殺害されたり、餓死させられたいした2000万人を加えるとと、1914年から1944年までの31年間に9100万人が命を落としている。
EUとは「二度と戦争だけはしたくない」という独仏同盟を中心とする西ヨーロッパの帝国と考えねばならない。
EUにはナショナリズムや民族を超えた価値観として、ラテン語で「コルプス・クリスティアヌム」という概念がある。
「コルプス・クリスティアヌム」とは、ユダヤ・キリスト教の一神教の伝統である「ヘブライズム」、ギリシャ古典哲学の伝統である「ヘレニズム」、ローマ帝国のラテン法の伝統である「ラティニズム」という3つの要素から構成された総合体のことである。
日本語に訳すと「キリスト教共同体」となる。
この体系は中世に確立し、近代になって世俗化していくが、今なおヨーロッパ的な価値観の根底をなしている。
EUもこの3つの方かんによって結び付けられる文化の総合体なのである。
文明はコピーできるが、文化には制約性があり、同じ文化的価値を共有する者は包摂し、そうでない者には門戸を閉ざす。
これはEUの広がりを見るとよく分かる。
EUがロシアやウクライナに延びないのは、「コルプス・クリスティアヌム」がカトリック・プロテスタント文化圏のものであり、正教文化圏を含みにくいからである。
また、トルコがEU加盟を希望してもなかなか入れないのは、イスラム文化圏を含みにくいからである。

0 件のコメント:

コメントを投稿