米軍の補完的な電波情報収集は陸上自衛隊の一室を隠れ蓑として、警察庁が主導権を握っていた。
陸上自衛隊幕僚監部調査第二課調査特別室、通称「調別」は、電波傍受を専門とする秘密組織で、北海道の稚内から鹿児島県の喜界島まで9ヶ所を拠点に、ソ連、中国、北朝鮮の電波情報を収集していた。
調別の室長は、警察官僚が勤め、経費は内閣情報調査室(内調)の予算に組み込まれていた。
収集した情報は防衛庁幹部をスキップして、内閣情報調査室や警察庁に報告されるケースが大半で、警視庁が旧米軍や自衛隊の通信施設を利用して、要員は自衛官というでけで、実際は警視庁の別動隊だったのである。
収集した情報は防衛庁幹部をスキップして、内閣情報調査室や警察庁に報告されるケースが大半で、警視庁が旧米軍や自衛隊の通信施設を利用して、要員は自衛官というでけで、実際は警視庁の別動隊だったのである。
この調別は、のちの防衛省情報本部電波部で、部長は一貫して警察官僚の指定席となっており、現在も電波部の情報は内調トップの情報官に逐一報告されている。
防衛庁の情報本部創設の動きが表面化した際に、旧内務省出身の警察官僚OBの後藤田正晴官房長官が、旧軍部に日本の政治と行政機構が敗北した教訓から、防衛庁・自衛隊の独走を許さないと、先頭になって抵抗したという。
最終的に、情報を全て内閣に報告することや制服組と内閣職員を含むシビリアンの混成組織とすることを条件に、情報本部の創設を受け入れることになった。
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