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2016年9月9日金曜日

1938年に制定された国家総動員法は、1937年7月に始まった日中戦争の長期化に対応して、国力を全面戦争の一点に集中させるものだったが、そこには、「人的及物的資源」の統制・運用を「勅命の定むる所」で行うと規定されていた。
つまり、この世のありとあらゆる物を、議会を経ない法令で、全面的に統制するというものである。
この法律により、法律案や予算案を事実上決定することができたはずの帝国議会の役割は、どうでもよくなってしまうことになった。
そして致命的な事に、この国家総動員法が帝国議会を通過したという事態そのものが、政党にとって自殺行為に等しかった。

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