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2017年11月7日火曜日

昭和2年の金融恐慌の際に、最初に東京渡辺銀行が破綻した。
破綻によって取り付け騒ぎが起きるのに備えて、大蔵省が緊急措置として200円札を発行した。
しかし、緊急性を優先したため、表面だけ印刷して裏面は真っ白だった。
これがいわゆる裏白紙幣である。
そして、この紙幣を使った人が逮捕されてしまう。
大蔵省から警察への連絡が行き渡っておらず、警察は裏白紙幣の存在を把握できていなかったのである。
本物とニセモノは、全く違うものではなく、すごく近いものなのである。
裏白紙幣のエピソードで理解すべき事は、裏が白いから信用されないというわけでは無く、発行主体に対する信頼が無くなってきたからいかがわしく思われたという点である。
政府や中央銀行が信頼性を持っている限り、表だけ印刷されている紙幣でも問題はない。
突き詰めていくと、信用されているかどうかが、通貨が通貨であるかないかの核心である。
その意味では、全ての通貨は基本的には仮装通貨と言える。
金貨と銀貨では金貨の方が価値が高いと決めているのは、人間であって、それを人間がお互いに約束し合っているから価値を認められているだけである。

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