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2016年9月13日火曜日

フランスが二度にわたってイスラム原理主義者によるテロに狙われたのは、フランスが持つ弱みに原因がある。
フランスの人口学者で歴史学者のエマニエル・トッドが『移民の運命』で指摘しているが、フランスは基本的に同化主義を国家原理に据えている。
出自が何処であろうと、フランスの言語と文化を受け入れるならば、国家のフルメンバーとして認める。
「自由・平等・博愛」のもと、どこの国の出身だろうが、どんな宗教を信じていようが、拒絶しないというのが、フラス共和国の理念だある。
「自由・平等」とは、もともとアンシャン・レジーム(旧体制)の第一身分「カトリック聖職者」からの自由と平等を意味している。
革命の精神に基づいて、カトリック聖職者が支配していた学校を世俗化するため、学生と教師が宗教シンボルを身に着けることを1905年に法律で禁止した。
この流れがあり、2004年にフランス公立学校でのブルカ(イスラム女性が身に着けるヴェール)着用を禁ずる「ヴェール禁止法」、2020年には新たに「公共の場で人の顔を隠すことを禁ずる法律」が制定された。
フランスのこれら禁止法は、人間の理性が宗教的権威に勝利した結果を維持するためのものである。

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