マルクス自身によって書かれている『資本論』は第1巻までで、第 2巻と第3巻は、手稿のままの乱暴な筆跡なので、普通の人には読 めないようなマルクスの草稿を基に、エンゲルスによってまとめら れた。
第1巻「資本の生産過程」は、初版(1867年)に対し、第2版 (1872~1873年)、フランス語版(1872~1875年 )で、マルクス自身が、重要な手直しをして、概念、論理が整理・ 発展している。
これに対して、第2巻「資本の流通過程」は、第1巻初版の前に書 かれたマルクスの未完成原稿(第Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ稿)と、1870年代 に書かれたマルクスの未完成原稿(第Ⅱ、Ⅴ~Ⅷ稿)をエンゲルス が編集して出版したものである。
第3巻「資本主義的生産の総過程」は、第1巻初版を書き上げる前 、1863~1865年の間にマルクスが書いた未完成の原稿をエ ンゲルスが苦労して編集し、1894年に出版したもので、未整理 で完成していなかった。
特に、第5編「利子と企業者利得とへの利潤の分割。利子付資本」 に関しては、信用制度を論じている後半部分は、資料引用を主とし たラフな草稿だった。
エンゲルスが、マルクスの意図を踏まえて、重要な書き加えを行い 、第3巻を編集刊行した。
その為、第3巻は概念も論理も未完成で、第1巻・第2巻に比べて 完成度が低い。
今は、マルクスのオリジナルのノートによる『メガ(MEGA)』 版が出ている。
『メガ』とは、マルクス・エンゲルス・ゲザトムアウスガーペ(M arx Engels Gesamtausgabe)という完全版マルクス・エンゲルス 全集である。
ソ連と東ドイツの共産党中央委員会付属のマルクス・エンゲルス主 義研究所が、全体で100巻になる計画で発行されていたが、ソ連 の崩壊後は、国際委員会がアムステルダムの社会史国際研究所で、 編纂を引き継いでいる。
第1巻「資本の生産過程」は、初版(1867年)に対し、第2版
これに対して、第2巻「資本の流通過程」は、第1巻初版の前に書
第3巻「資本主義的生産の総過程」は、第1巻初版を書き上げる前
特に、第5編「利子と企業者利得とへの利潤の分割。利子付資本」
エンゲルスが、マルクスの意図を踏まえて、重要な書き加えを行い
その為、第3巻は概念も論理も未完成で、第1巻・第2巻に比べて
今は、マルクスのオリジナルのノートによる『メガ(MEGA)』
『メガ』とは、マルクス・エンゲルス・ゲザトムアウスガーペ(M
ソ連と東ドイツの共産党中央委員会付属のマルクス・エンゲルス主
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